破産について
破産とは、支払不能又は債務超過の状態にある者の財産を清算する手続を定めた破産法の手続にしたがって、裁判所の選任する破産管財人が債務者の財産についての管理処分権をもって資産を換価・債権者全員に公平に配当し清算するというものです。
破産の手続
裁判所へ破産の申立てがなされると、裁判所は審理を行って、手続の開始決定を行います。
開始決定の後、裁判所に選任された破産管財人は、債権届出・調査を経て破産債権を確定する手続きや財産の調査・管理または否認権行使により破産財団の形成を行います。債権者に対する配当の原資である破産財団に属する財産を換価して得た金銭は、破産債権者に対し、破産債権者の順位およびその破産債権額に応じて配当がなされます。
配当が終了すると債権者集会が開かれ、破産管財人は計算の報告を行い、債権者の異議申立期間が経過したとき、裁判所は破産手続終結の決定を行って破産手続は終了します。
ただし、配当に足る財産がないことが明らかな場合には、申立時または手続の途中で手続が終結することがあります(破産手続廃止)。
破産の特徴
1. 経営者は財産関係の権限を失うこと
破産によって財産の管理処分権限が破産管財人に移る結果、経営者は財産に関する権限を失うことになります。
2. 株主・債権者が関与する余地はないこと
破産によって財産の管理処分権限が破産管財人に移り、株主や債務者企業の債権者が関与する余地はほとんどありません。
3. 否認権制度があること
破産管財人は、総債権者の利益を代表する立場と考えられ、債務者企業が破産手続開始決定前になされた行為であっても、債権者に損害を与える一定の行為について、その法的効力を否定して、第三者に流出した債務者企業の財産を取り戻すことができます。
4. 担保権の行使ができること
破産によって、担保権者の権利に変更はなく、担保権者は担保権の行使が可能です。