はじめに
事業経営者にとって、倒産ほどつらく厳しいものはなく、会社の資金繰りが厳しくなったときに倒産を回避するためには、銀行から新たに融資を受ける、株式を発行して出資を受ける、知人・友人・取引先などから借り入れをする等により資金を調達し、資金繰りを付けることになります。
しかしながら、思うように新たな資金の調達が出来ない場合には、最後の手段として返済額を減らす、一時的に支払いを止める、支払いを延期するなどいわゆるリスケジュールを行うことで、資金繰りを回すことになります。
そして、このリスケをしている間に、きちんとリストラなどをして経営を建て直し、資金繰りを正常化することになりますが、リスケをしてもなお資金が回らない、あるいは数ヵ月後に資金繰りに窮するようになる場合には、残念ながら倒産を避けることは難しくなります。 ( ※倒産とは、法律用語ではなく、主に企業が経済的に破綻した場合に使われる事実状態を表す用語です。)
そのような中で、資金が底を尽くまで頑張るというのは、事業家としてある種立派な心意気であると思いますが、結果として最後まで支援をしてくれた取引先や金融機関、付いて来てくれた従業員に対してより大きな迷惑をかけることになってしまいます。早め早めの対応により、取引先・従業員・金融機関に対してなるべく迷惑をかけないようにすることこそが、もう一度再起を図るうえで大変重要なことです。
もっとも、迷惑をかけないためにも、事業再生を行おうと決断をしたとしても、何をどうするのか、そして、まず何から手をつけたら良いのか、当然初めての経験という経営者の皆様がほとんどでしょうから、不明の点が多いため不安になり実行に移すことができないのではないかと思います。
事業再生のメリット、再生の手法や再生手続の流れなどを知ってもらうことが、不安解消の一助となり、再起を果たすための第一歩を踏み出すきっかけになると考えて、そのために必要な情報を充実させましたので、ご活用いただきたく存じます。